謎 (2002年7月4日:1)

 僕には子供の頃からずっと謎なことがある。この謎は、僕だけじゃなくて、多くの子供が考えることだと思う。でも大人に聞くと「勉強すれば分かる」とか「大人になれば分かる」とか「当たり前のことを聞くな」等々のよく分からない答えではぐらかされてきた。僕も23になり、精神的にも大人の仲間入りをしないとまずい年頃になってきた。でも、この謎はやっぱり謎なままだ。それどころか、いろいろ考えたり、調べたりしながら年を重ねていると、謎は深まってきたように思う。

 僕も年齢的には大人の分類に入ってきたので、同じような質問を子供から受けたらどうしようと思う。「大人になれば分かる」とか「そういう仕組みになっている」と言ってお茶を濁すことはできるけど、自分自身、納得できる答えが、まだ見つかっていない。そもそも答えなんかあるんだろうか?、これって本当にみんなの幸せのためになってるの?と思ったりする。僕の勘違いであるに越したことはないのだけど、小学校の低学年から今に至るまでこの謎は謎のままだし、この謎に振り回されて恐怖したり、憤ったり、失望したりして、この世界で生きてきた。もう乗りかかった船だし、他に人生をかけようと思えることも見つからないので、この謎に殉じても良かろうと思った。

 この謎の結果として、みんながいい人だからみんなで不幸になっている気がしている。だから、僕が上手に悪い人になれば、みんなを幸せにできるかもしれないと思った。ただ、悪い人になるって意外に難しい。しかも下手に悪い人になると、いい人に叩かれておしまいなので、上手に悪い人にならなくてはいけない。そこで、どうやって上手に悪い人になるかを考えた。思いついた方法は大きく分けて2つ、『案1』はこの謎を扱っている中心へ行くこと、『案2』はこの謎の仕組みをきちんと解明して分かりやすく伝えること。

 2002年の3月から6月までは『案1』の可能性を考えるために、そこで働いている人と話すための勉強をしていた。誰も悪くないのにみんなで不幸になっているように思えるから、そのシステム全体を整備してる所へいけば、何か手の打ちようがあるのかもしれないとも思っていた。人事院で合格発表を見た後、早速この謎を扱っている中心へ行ってみる。この一帯で働いている人は、新聞やテレビでは、悪者扱いされていることが多い。スポーツ新聞やワイドショーでは伏魔殿と呼ばれて、オカルトまで入るほどに悪者度が高められている。それほど悪者度が高いなら、悪い人になれるかもしれないと思っていた。

 しかし実際に会って話してみると、この一帯で働いている人は真面目でいい人が多い。気があって話が盛り上がった人も、そうじゃなかった人も、僕の感じたこと、思ったことをいくつか話すと、ここに来たら逆に難しくなるかもしれないとか『案2』の方が良いと思うというアドバイスも受けた。そこに嘘は感じなかったし「やっぱり、そうだろうなぁ。」と納得させられてしまった。それに仕事の方向性自体から、自分から積極的に悪い人になることは難しいとも思えた。

 後付になるけど、悪い人になるには『案2』より『案1』の方が難しそうだというのは、『案1』を思いついた時から感じていた。『案1』も『案2』も、考えようによっては自爆であり、裏切りとなる。どちらの案でも悪い人になるのは、しんどい。でも『案1』はそもそも悪い人になるまでが、とても難しいのではないかと思っていた。そうは言っても『案1』の可能性を全く見ずに、『案2』に走ってしまうのも、もったいないかもしれないと思っていた。それにそろそろ、年貢を納めたい!みたいな焦る気持ちもあった。『案2』を選ぶと、ますます年貢を納めるのが先のことになってしまう。

過去・現在・未来 〜(2002年4月21日)に書いた追試がダメだったら、その時点で『案2』は、ほぼ実行不可能になったのだけど、それもいいなぁと思っていた。僕は僕自身がいいかげん人間であることをよく知っているから、前もって『案1』を選ばざるを得ない状況を作れば、事後的に『案1』にひいても年貢を納め始めるだろうと思っていた。でも、もうちょっと未来(2002年4月25日)にも書いているとおり、どういうわけか進学要件を満たしてしまい『案2』も選択できる状況になってしまった。なんだかあの時から、こういうオチが見えているような気がしていたけど、やっぱり僕は、いいかげん人間でした。

 というわけで、

年貢はもうちょっと、待ってください。

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