トゥエルブポイント カード (2004年5月4日)

 これは、2003年の夏(多分)から2004年の春にかけて、ある男が挑んだ試練の物語である。 

すべての物語はここから始まった。

さいとうけいじは、けんけつルームトゥエルブポイントカードをてにいれた。

 都内の献血ルームで献血し終わった後に、係の方が献血手帳を返すと同時に、渡してくれたはずなのだ。誰がいつ渡してくれたのかは、覚えていないし、重要でもない。確かなのは落葉の頃、既に私の財布の中に、献血ルームトゥエルブポイントカードが入っていたことである。このトゥエルブの12というのは、都内の14の献血ルームの数から新宿の2ヶ所を除いた『都庁、渋谷、SHIBU2池袋い〜すと池袋ぶらっど、上野、有楽町、五反田、吉祥寺立川、八王子、まちだ』の12ヶ所を指している。ちなみに『SHIBU2』は渋々と読んではならない。『しぶつう』と読まねばならない。

 この献血ルームトゥエルブポイントカードは、12献血ルームの共通ポイントカードである。献血ごとにポイントが加算され、ポイントがたまればO賞、A賞、B賞、AB賞と4種類の景品がもらえていく仕組みである。最後のAB賞までを得るには20ポイントが必要であり、主なポイント換算は以下の通りである。

【加算ポイント】
400ml献血(男性) 3ポイント
成分献血 1ポイント
 午前中の成分献血 +1ポイント
 予約成分献血(前日まで) +1ポイント
雨天時の献血 +1ポイント
火・水・木曜日献血 +1ポイント
ミステリーポイント +1ポイント

 このポイント換算表を見ると、東京都プロック赤十字献血センターの企みは明らかである。成分献血を平日に繰り返し行わせる気であろう。400ml献血は基本ポイントこそ高いが、いったん400ml献血を行えば、12週間は献血不能となる。一方で成分献血は赤血球を返血するため、2週間に一回、献血可能である。(詳しくはここを参照)火・水・木曜日の雨天午前中に予約成分献血のコンボを行えば、一度に5ポイントを稼ぐことができる。最短で4回の献血で最終の20ポイントに到達ができる。
 私はもともと全血の400mlを中心に行っていた。なぜならもともと献血ルームではなく、献血バス出身だからである。少なくとも4,5年前の献血バスには成分献血用の機材が実装されていなかったのである。上京した後、献血ルームに行くようになってからも、全血400ml(20分くらい)の3倍程度の時間がかかる成分献血を避けていた。いや、むしろ成分献血を嫌っていたのである。

青の杯 あれは約一年前の2003年春のことである。私が累積10回、合計4リットルの全血献血の結果、ようやく献血初段の称号である「青の杯(右図)」をもらって間もない頃である。なんと弟が私より先に「青の杯」を手に入れているということが発覚した!
 もちろん、そのカラクリは成分献血にある。全血400ml献血は、12週間以上の期間を空け、年間3回しか行うことができない。400ml献血だけでは、一段昇段するために3年以上かかる。しかし成分献血の間隔は2週間である。1年の間に、二段の昇段も不可能ではない。
 しかし、いったん抜き取った血液を分離、返血するなど、まどろっこしいことは漢のすべきことではない。漢なら、ただひたすら400mlを抜き取れば良いのである。それが、ますらおというものである。ましてや昇段や記念品目当てに成分献血をするなど、もってのほかである。そして私は弟にこう言い放った。

全血にあらねば、献血にあらじ。

そうした経緯があって、私は成分献血を行わなかった。しかし今回のトゥエルブポイントカードでは、成分献血に有利なポイント設定になっている。禁忌の方法でミステリーポイントを得たとしても、400ml献血のみで20ポイントを稼ぐことは時間的に不可能である。これは「やってみさらせ、成分献血」という東京都プロック赤十字献血センターの私に対する挑戦であろう。もちろん挑戦されたからには受けて立つのが男子の本懐である。

トゥエルブポイントカードの景品達 こうして、私の平成16年4月20日までに20ポイントを貯める試練が始まったのである。目的は、東京都プロック赤十字献血センターの私に対する挑戦を退けて、20ポイントを稼ぐことである。ポイントによる景品はあくまで『ついで』であるが『もらえるものは、大体もらう。』の精神に則り、戦利品をありがたく頂戴していく。
 ポイントを貯めて左上の、「献血ストラップ」、右上の「MD5枚セット」、下部の「体温計」の順に景品をもらっていく。1つ目はオリジナルグッズであり、3つ目は献血ルームらしき景品であるが、2つ目は献血との関連が謎である。都内の様々な献血ルームで成分献血を行ったがために、どこで何をもらったかは記憶していない。
 しかし確実なのは、景品のレベルが上がってきているということである。ストラップ(予想350円)、MD5枚セット(予想700円)、体温計(予想1400円)とAR(1)の倍々ゲームの予感である。すると最終景品である4番目は、3000円相当と期待される。 

最終ポイントまでたどり着く猛者は、そう多くあるまい。しかし、私はたどり着いた。2003年の夏頃から始まったこの試練は、半年以上、6回か7回の成分献血を経て、ようやく平成16年4月2日にこの境地に至った。目的であった東京都プロック赤十字献血センターの私に対する挑戦を退けることに成功したのである。一方で3000円相当(予想)の最終景品もそれはそれで興味深い。係の方が持ってくる景品のA4サイズほどもあった。その場で開封すべきでないと考えた私は、静かにSHIBU2を後にしたのである。 

 帰宅後、その3000円相当(予想)を開封する。そこにあったのは、

名誉鉄人 石鍋シェフ便利サーバー 5点セット

便利サーバー 5点セット

名誉鉄人 石鍋シェフ便利サーバー 5点セット】箱の説明
パスタレードル 茹でたパスタをまとめてすくえるので便利です。
万能サーバー ハンバーグなどを焼くのに便利です。
ケーキサーバー ケーキを取り分けに便利です。
万能トング 料理を取り分けるのに便利です。
アイスクリームサーバー アイスクリームの取り分けに便利な大きさです。

開封した時、私が思ったことは
なんて便利なんだろう。
ではなく、

しまった。罠であったか。

 である。

 おそらく3000円近い品物であろうが、一人暮らしの下宿生には手に余る代物である。そもそも、これを喜ぶ者は限られていよう。レアな品物なのにヤフーオークションで「便利サーバーで」検索すると20件近くヒット(5/4現在)するのは、献血ルームトゥエルブポイントカードと無関係ではあるまい。実際、老若男女全般に喜ばれる品物というのは難しいであろう。図書カードやカタログギフトといった選べるタイプのものが良いと思われる。しかもMD5枚セットと同じく、献血との関連は謎である。料理の人とヘモグロビンの分(ヘム)との関連が指摘されているが、未だに推測の域を出ない。

 こうして一つの試練が終わりを告げた。私は20ポイントを集めて、東京都プロック赤十字献血センターの挑戦を退けたのである。しかし、流れゆく刻とは悲しいものである。一つの試練を超えた私の前に新たな試練が、さらなる高い壁となって立ちふさがったのである。それは、

「平成16年度版 献血ルームトゥエルブポイント カード」

である。新たな試練では、ポイント設定こそ若干違っているが、人類史上最大の25ポイントを稼がねばならない。この試練が結末に至るのは、早ければ秋頃、遅ければ2005年となる。

平成16年度版 献血ルームトゥエルブポイント カード

今度のAB賞はいったい何であろうか? いや、もう何も望むまい。
漢には、罠と分かっていても、征かねばならぬ刻がある。

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