[Aspellとxyzzyでのスペルチェック] はてなブックマークに追加

無料ツールのAspellとxyzzyを使って、Windows上でスペルチェックをする方法を紹介します。
Aspellとaspell.l を用いると、xyzzy上にスペルチェッカーを作成することができます。
さらにxyzzy_aspell.zipを使うと、長い英文であってもテンキーを使って、効率的にスペルチェックができます。

キーバインドの設定にあたり、aspell.l の作者である紫藤貴文さんにファイルの改良とアドバイスをしていただきました。紫藤さんに感謝いたします。

Windows版のAspellのインストール

1. http://aspell.net/win32/からWindows用のAspellである『Aspell-0-50-3-3-Setup.exe』および英語辞書の『Aspell-en-0.50-2-3.exe』をダウンロードします。

Aspellのファイルと辞書のダウンロード

2. 『aspell-en-0.50-2-3.exe』をダブルクリックして、スペルチェック用の英語辞書をインストールします。

3. 『Aspell-0-50-3-3-Setup.exe』をダブルクリックして、スペルチェックツールをインストールします。

ドラッグ&ドロップと『送る』でのスペルチェック

Aspellのインストールの途中で[Crate a desktop icon]と[Create a send-to link]を尋ねてきます。前者にチェックを入れておくと、ドラッグ&ドロップでスペルチェックをしてくれるアイコンがデスクトップに表れます。後者にチェックをいれておくと、右クリックメニューの『送る』からスペルチェックができるようになります。

ドラッグ&ドロップと『送る』でのスペルチェック

この段階で、Aspell単体での英文スペルチェックができるようになります。適当な英文テキストファイルをデスクトップのアイコンにドロップしたり、右クリックで送ったりすることで黒い画面でスペルチェックができます。スペルチェックが終わると同じフォルダに修正後ファイルと[bak]の拡張子がついたバックアップファイルができます。

Aspellの画面


xyzzyにAspellを設定

1. Vector:xyzzyからエディターの圧縮ファイル『xyzzy-0.2.2.234.lzh』をダウンロード&解凍してください。例えば[C:\Program Files\xyzzy]に設置します。

2. aspell.l のページ右上のdownloadというリンクでスペルチェック用ファイルの『aspell_l.lzh』をダウンロード&解凍してください。解凍後に現れる[aspell.l]と[aspell.lc]は、[C:\Program Files\xyzzy]の中にある[site-lisp]というフォルダに貼り付けます。

site-lispに2つのファイルを貼り付ける

3. xyzzy_aspell.zipをダウンロード&解凍してください。中身は[.xyzzy]という拡張子だけのファイルとドラッグ&ドロップと『送る』でのスペルチェックと同じドラッグ&ドロップでスペルチェックのできるショートカットです。これらのファイルは[C:\Program Files\xyzzy]に貼り付けてください。

.xyzzyをxyzzyフォルダの中に貼り付ける

.xyzzyの中身

.xyzzyはxyzzyの環境を設定するファイルです。『.xyzzy』はエディターで開くと、以下のような記載があります。

  • (gates:ゲイツ)は、[Ctrl+c]で<コピー>、[Ctrl+v]で<貼り付け>のようなWindows標準のキー操作の呼び出しです。
  • (global-set-key #\M-a 'aspell)は、aspell.l にデフォルトとして書かれているスペルチェックを呼び出す[Alt+a]のキー操作です。押しづらいので、[F1]およびマウスのホイールクリックでの呼び出しを足しました。
  • (setq ed::*aspell-max-choices* 9)でスペル変換の最大候補数9を設定しています。記入しないとデフォルトの30になります。この場合、訂正候補が10以上になった際、[1]という訂正番号を押してから、Enterキーを押す必要が出てきます。
  • (setq ed::*aspell-assigned-characters* 以下でキーと動作を対応させています。[ドットキー]を<ignore>、[プラスキー]を<add>に対応させ、片手をテンキーに置くだけでスペルチェックができるようになっています。[#\]の次の文字を変えることでキーの結びつきが変わります。 <ignore>を[ドットキー]ではなく[スペースキー]に対応させ、両手でスペルチェックを行う場合は『#\. "Ignore"』の部分を『#\SPC "Ignore"』に書き換えてください。
(load-library "gates")
(import '(ed::aspell ed::*aspell-command* ed::*aspell-language*))
(autoload 'aspell "aspell" t)
(global-set-key #\M-a 'aspell)
(global-set-key #\F1 'aspell)
(global-set-key #\MBtnDown 'aspell)
(setq *aspell-command* "C:\\Program Files\\aspell\\bin\\aspell.exe -a")
(setq ed::*aspell-max-choices* 9)
(setq ed::*aspell-assigned-characters* '((#\. "Ignore" nil)
(#\i "Ignore all" t )
(#\r "Replace" nil)
(#\R "Replace all" t )
(#\+ "Add" t )
(#\u "Add lower" t )
(#\x "EXit" nil)
(#\! "Abort" nil)))

4. [マイコンピュータ]の[システム情報を表示する]をクリックします。システムのプロパティが表示されるので、[詳細設定]のタブの[環境変数]をクリックします。

マイコンピューターからシステム情報を表示環境変数のボタンをクリック

5. ユーザー環境変数の新規をクリックし、変数名に[XYZZYHOME]、変数値に[C:\Program Files\xyzzy]と入力してください。以上でxyzzyの設定は終了です。

XYZZYHOMEを環境変数に指定


テンキーを使ったスペルチェック

[C:\Program Files\xyzzy\xyzzy.exe]をダブルクリックすると、xyzzyが起動します。

xyzzyの実行ファイル

適当な英文テキストファイルを開いたり、打ちこんだりした後にキーボードの[Alt+a]、[F1]、マウスの[ホイール]を押すとスペルチェックをしてくれます。

Aspellが組み込まれたxyzzyでスペルチェック

スペルチェック作業におけるキーとコマンドの対応は、以下の表のようになっています。

キー コマンド 動作
. ignore 無視して次の単語へ
+ add 単語記憶(次からは無視)
u add lower 小文字も含めて単語記憶
r replace 自分で修正後の文字を入力
x exit これまでの変換を残して、途中でやめる
! abort これまでの変換を取り消して、途中でやめる
1〜9 choose 訂正候補を番号で指定して修正