無料のBibTeX文献管理ソフトJabRefとエクスポートスクリプトJab2HTML.zipの使い方の説明をします。
JabRefを使うと、文献情報やPDFを整頓し、TeXへ参考文献の情報を挿入する作業が楽になります。
また、Jab2HTMLを使うとsample-Jab2HTMLのようなhtml文献リストが作成できます。
If you prefer English, go to BibTeX Management by JabRef and Jab2HTML.
JabRefは無料で利用できるBibTeX用の文献管理ソフトです。文献情報をTeXの文章に挿入する場合は、TeX(とセットになっているBibTeX)をインストールする必要があります。JabRefは単体でも文献管理ソフトとして使用することができ、Jab2HTMLを使うとsample-Jab2HTMLのようなhtml文献リストを作成することができます。
1. BibTeX用の文献管理ツールJabRefのダウンロードをします。http://jabref.sourceforge.net/の画面のDownloadと書かれたボタンをクリックしてください。
2. 使用しているOSに合ったファイルクリックしてダウンロードします。Windows XPや 32bit版のWindows Vistaを使用している場合は『JabRef-2.3-Setup.exe』が簡単です。ダウンロード後はexeファイルをダブルクリックして、インストールします。
齋藤経史がカスタマイズしたJabRef設定ファイルPref-Jab2HTML.xmlを使うと、追加要素を記入できるOriginalタブおよびGoogleやGoogle ScholarへのリンクをJabRef等に出すことができます
1. Pref-Jab2HTML.xmlは、Jab2HTML.zipに他のhtmlエクスポート用ファイルとともに圧縮されています。これをダウンロード、解凍した後、[Program Files\JabRef]など適当なフォルダへ移します。
2. JabRefを起動して、[Options][Preferences]をクリックします。
3. [Import preferences]をクリックして、[1]で移した『Pref-Jab2HTML.xml』をクリックします。
4. [Preferences]の[External Programs]にある[Main file directory]に『C:\Files\REF』、[Main PDF directory]に『C:\Files\PDF』が入っていれば設定ファイルのインポートは終了です。必要に応じて自分の氏名を[Owner]に入れる等、追加カスタマイズをしてください。
『Pref-Jab2HTML.xml』を導入した後は、Originalタブが現れるとともにJabRefのプレビュー上のリンクをクリックするとタイトルや著者名でGoogleやGoogle Scholarを検索できるようになります。
1. まずはデータベースとなるbibファイルを指定します。[New BibTeX database]で新しくbibファイルを開くか、[Open BibTeX database]で既存のbibファイルを指定します。開いたbibファイルの中に新しい文献を追加したい場合は、[New BibTeX entry]を選択した後、文献形式を選びます。
2. 自分で[Required fields]等の必要項目を埋めることもできますが、以下の画像のようにGoogle ScholarやLead2Amazonからコピーして[BibTeX source]に貼り付けた後に必要な修正をする方が簡単です。コピー&ペーストによるBibTeX文献情報の収集はBibTeX文献情報のWeb検索に説明があります。
いくつかの論文データベースに関しては、JabRefから検索してBibTeX情報を取得できます。メニューの[Web Search]から検索したいデータベースを選び、検索語句を入力して[Fetch]をクリックしてください。文献がヒットした場合は[Generate now]をクリックしてから[OK]をクリックすると、JabRefの中にBibTeX情報を取り込むことができます。
3. [Required fields]等に基本的な文献情報を入力した後に、関連Webページがあれば、[General]の[Url]に貼り付けてください。PDFなどの電子媒体がある場合は[Original]の[Pdf]にファイル名を入れてください。
4. TeXに引用したい場合はTeXにおける参考文献の引用(BibTeX)とcje02.bstや他の関連Webを参考にしてください。bibファイルを適切な箇所に保存した後に、JabRef内の各文献を右クリックしてできる\cite{BibTeX key}を選び、適切なTeXソースに貼り付けてください。
JabRefの[Required fields][Optional fields]というタブはarticleやbookといった文献の種類によって、項目が変化します。文献の種類ごとの項目を設定したい場合は、メニューの[Options] [Customize entry types]を選択してください。
文献の種類ごとに[Required fields][Optional fields]を設定することができます。
また、文献の種類に依存しない共通項目はメニューの[Options] [Set up General Fields]から指定できます。改行することで新しいタブとなり、タブ名をコロン(:)の左側で指定します。タブ内の項目はセミコロン(;)で区切り、並べてください。
JabRefでは簡単にキーワードに関連した文献を検索して抽出を行うことができます。ツールバーの虫眼鏡のマークをクリックすると検索用のパネルが表示されます。
このパネルの中に検索したい単語を入力して『Search All Fields』をクリックすると、キーワードに関連した文献のみが上位に表示されます。
JabRefでは、PDFの項目にある[Browse]をクリックすると、マウスでPDFを指定することができます。また[Auto]をクリックすると、PDF用のフォルダ下にあるBibTeXkeyに近い名前のファイルが指定されます。PDFを指定した文献にはのマークが現れ、このマークをクリックするとPDFを開くことができます。
また、PDFの項目にある[Download]をクリックしてURLを指定することで、Web上のPDFをダウンロードできます。ダウンロードしたPDFファイルはBibTeXkeyのファイル名で、あらかじめ指定したPDF用のフォルダに保存されます。
[Write XMP]をクリックすると、JabRefから『タイトル』『表題(サブタイトル)』『作成者』『キーワード』をPDFのメタ情報として書き込むことができます。書き込まれたメタ情報は、Windowsのフォルダを『詳細表示』にすることで表示やソートができます。
1. Jab2HTML.zipの中に[CustomEx]というフォルダがあります。このフォルダの中にあるJab2HTML.layoutを[Options] [Manage custom exports]で選択すると、sample-Jab2HTMLのようなhtml文献リストを作成できるようになります。[Export name]はファイル名そのままなら(Jab2HTML)として、[File extension]には拡張子の『.html』を入れておきます。
2. Custom Exportの設定が終われば、[File]の[Export]の選択肢の一つに[Jab2HTML]が現れます。Jab2HTMLを使ってhtmlの文献リストをが保存することができます。
指定した文献のみでhtmlリストを作成することもできます。Ctrlキーを押しながら、文献をクリックすると複数選択ができます。エクスポートしたい文献を選択した後に[Export selected entries]をクリックして、部分的なhtml文献リストを作成できます。
Jab2HTMLで作成した文献リストは、コメントの文章を含めいろいろな情報を表示します。JabRefに付属しているHTML Tableを使ってエクスポートすると、各文献の情報が一行におさまった一覧表を作成することができます。
Javascriptを利用可能にすると、上部の入力欄から文献を検索することができます。
JabRefはTeX用の文献管理を意図して作成されていますが、Microsoft Wordなどの他のワープロソフト用の参考文献を作成することもできます。[Export]のFiles of Typeで『Harvard RTF』を選択してください。
『Harvard RTF』による日本語文献の出力は不完全ですが、全ての参考文献をWordに記入していくよりも部分的に修正してWordに貼り付ける方が簡単です。
Pref-Jab2HTML.xmlを導入すると現れる[Original]タブ等に書き込んでから、Jab2HTMLでエクスポートするとsample-Jab2HTMLのようなhtml文献リストができます。
[note][memo][review][comment]等には、htmlタグでリンクや文字装飾ができます。このタグによってJabRef内のプレビューやhtml文献リストの出力を変化させることができます。
上の表示のmemo部は、下の記述で作られています。
[Related]に関連する文献のBibTeXkeyを入れておけば、Jab2HTMLが作成したhtml文献リスト内でラベルリンクができます。
作成された文献リストでは、論文タイトルと著者名でGoogle Scholarが検索できます。書籍で[ISBN]の記載があれば、WebCat Plus、Lead2Amazonへのリンクが表示されます。\cite{BibTeXkey}をhtml右上に記載してあります。下の画像のように、これをコピーしてTeXに貼り付けると文献挿入ができます。
現在ダウンロードできるJab2HTML.zipはVersion 2.10です。sample-Jab2HTMLのようなhtml文献リストができます。
Version2.03 → 2.10(2007/11/13)
Version2.02 → 2.03(2007/11/03)
Version2.01 → 2.02(2007/07/26)
Version2.00 → 2.01(2007/01/17)
Version1.70 → 2.00(2006/12/20)
Version1.60 → 1.70(2006/08/01)
Version1.50 → 1.60(2006/03/31)