[Excelにおける回帰分析 (2)分析ツールでの回帰分析の手順] はてなブックマークに追加

Excel(エクセル)における回帰分析の手順と出力の意味を説明します。
このページでは、Excelの分析ツールを使った回帰分析の手順を紹介します。

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目次(1)最小二乗法の発想からの続きです。


2.1 アドインから分析ツールを追加する

Excelでの回帰分析は分析ツールを使います。これまで分析ツールを使ったことのない場合は、分析ツールをアドインする必要があります。Microsoft OfficeやExcelのCDが必要になる場合があります。

Excel 2003以前の場合

Excelのメニューにある[ツール][アドイン]をクリックします。表示された候補の中の[分析ツール]にチェックを入れて[OK]をクリックします。

Excel 2003以前のアドイン アドインから分析ツールを選択

Excel 2007の場合

Excel 2007の画面左上の[Microsoft Officeのボタン]をクリックして、表示されたメニューの中から[Excelのオプション]をクリックします。

Excel 2007でのアドイン

Excelのオプションの中から[アドイン]を選択し、[設定]をクリックします。表示された候補の中の[分析ツール]にチェックを入れて[OK]をクリックします。

アドインを選択し、設定をクリック 分析ツールにチェックを入れる

2.2 回帰分析用データを縦に並べる

Excelで回帰分析を行うためには、被説明変数yと説明変数xのデータを縦に並べる必要があります。 ここでは例示として、Excelでの回帰分析(最小二乗法)用乱数データを用います。この乱数データでは、被説明変数yに対してxαxβの2つの説明変数で回帰分析を行います。1枚目の[乱数シート]では、yxの関係である係数やノイズであるエラーの値を設定することができます。再計算のF9を押すことで、乱数からエラーが再生成されます。[乱数シート]の中には、分析ツールの回帰分析風の出力があり、推定値の挙動を見ることができます。また、変化する[乱数シート]を値で貼り付けて固定したものが[固定シート]です。以降のページでは、回帰分析結果の例として[固定シート]を用いて説明します。

[固定シート]の値


2.3 分析ツールから回帰分析を実行する

縦に並べたデータを使って回帰分析を実行します。

Excel 2003以前の場合

[ツール][分析ツール]をクリックします。

ツールの中の分析ツールをクリック

Excel 2007の場合

[データ]のタブの中にある[データ分析]をクリックします。

Excel 2007の分析タブ

データ分析のダイアログボックスから、[回帰分析]を選択して[OK]をクリックしてください。

回帰分析を選択してOK

表示された回帰分析のダイアログボックスには、入力Y範囲に被説明変数の1列を、入力X範囲に説明変数の列を指定してください。Excelのセル指定ボタンのボタンを押せば、マウスで範囲を指定することができます。Excelでの回帰分析(最小二乗法)用乱数データでは、一行目に変数名を入れて、入力Y範囲を〈$B\$10:$B$60〉、入力X範囲を〈$C$10:$D$60〉、出力先を〈$K$10〉に指定しています。回帰分析の指定が終われば、[OK]をクリックします。

回帰分析のダイアログボックス

指定した出力先には、下の画像のような回帰分析の結果が表示されます。

Excelの回帰分析の結果


目次(3)最小二乗法の性質に続きます。